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龍門滝山(太間町)

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龍門滝山の概要
鯉山は別名を竜門滝山ともいう。向唐破風をもつ三輪の曳山で、製作年代は享保二年(1717)というが、多くの部分は江戸末期乃至それ以後に造り替えられている。主体構造は下層の車台、その上の下層(1階)櫓、これより上に挺出して向唐破風の屋根を支える四本柱、及び屋根部分の部材が組合わされてできている。下層は上層を引立たしめるためのものとも言うべく、組立完成後は織・漆・金・木工々どの工芸をすべて用いた装飾品で飾られ、上層の床上の後方に障壁を、その前に「鯉の滝上り」を飾る。これがこの山の名の由来する処であり、所謂登竜門の語もあるように、滝と鯉とがあらわきれている。建築および工芸的な装飾品について略述すれば次のようである。
下層見送り  ゴブラン織「平和の図」 (重文)
四本柱    方柱、黒漆塗、上部金欄巻を装う。
頭 貫    慰斗目文様彩色
斗 供    出三ツ斗
欄 間    牡丹と獅子の彫刻
背面障壁   中国風意匠を加味、竜首金具
懸 魚    中央(兎ノ毛通し)丸彫牡丹
桁隠は四箇、それぞれ青竜・白虎・朱雀・玄武(四神)の彫刻、いずれも金箔置
棟飾り   雲に鯱(しゃち)の丸形。
以上の如くで、工芸各部門の技術を適用した華麗な曳山である。(鯉山という名で、鯉の滝上りを扱った山は京都・祇園祭も見られる。)

近藤豊 記「大津祭総合調査報告書(1)龍門滝山 大津祭曳山連盟 大津市教育委員会発行 1971年発行」より抜粋

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