長柄衆


大津祭長柄衆(ながえしゅう)は大津市が地域活性化の担い手を育てるために立ち上げた「大津まちなか大学」の大津祭学部修了生らで構成され、ガイドや運営面で協力しています。約370年の歴史を誇る大津祭も今ではボランティアの存在が欠かせません。また大津祭への造詣を深めるため定期的勉強会も開催され、今では町衆よりも大津祭に詳しいのでは…といわれています。

 

 


本祭 曳山巡行の活動

1 本祭巡行の先頭


巡行当日は巡行の先頭に長柄衆がいます。西行桜狸山の100m位前を先導し、検尺棒(6.7m)にて電線をチェックしています。「大津祭」のノボリをもち先頭を歩いているのです。同時に、巡行中障害となる電気や、電話、CATVなどのケーブルの高さチェックを検尺棒で行っています。巡行の数週間前に一度ケーブル高さをチェックするのですが、その後新しく低いケーブルが設置されることがあります。近年もこれが原因で狸山の狸がケーブルに引っかかり、山のてっぺんから転落してしまいました。その様なことがないよう、新しい試みとして当日もチェックするようにしました。巡行の安全を担っているのです。


2 各曳山に同行 ガイドを担当


巡行中の各曳山に長柄衆の方が数名付いています。観光客の中には初めての方もいて、何が行われていて、どのような祭りなのか、由来や歴史など興味のわく内容をお伝えできるようになりました。観光客の方に興味を持っていただき、また来年も来ていただけるよう、町衆の思いをかなえることが出来るようになりました。


3 巡行ガイド


巡行路にも各所に長柄衆が、解説のため活動しています。観光客の中には、パンフレットがどこにあるのか、トイレがどこにあるのかすらわかりません。そこで何の祭りなのか、由来や歴史の解説の他にも、機転を利かし、観光客への心のこもったサービスを行っています。


4 ボランティアへの昼食接待


巡行当日のボランティアやサポーター等の全数は500人に及びます。その数のお弁当、お茶、などをご用意し皆さんの昼食に対応しています。もちろん昼食会場の設営から、お昼の昼食対応、そして撤収までを他の組織と共にまかなっています。ほとんど町衆の目の届かないところですが非常に大事な活動なのです。


5 本部にて情報収集


巡行当日には大通りに情報が集中する本部が設置されます。ここにNPOや警察とともに長柄衆も常駐しており、いろいろな状況判断を行い、迅速な対応が行われています。


6 町家の二階から観覧の接待


NPO曳山連盟の会員特典
として巡行当日町家の二階から観覧が出来るようになっています。この行事の接待に長柄衆が活躍しています。一般の方の町家をお借りするため、いろいろ気を遣う活動ですが、観覧してもらった方々からは評判上々です。


7 曳山展示館にて


巡行当日曳山展示館には、多くのお客様が来られます。普段の数十倍ですので、普段の少人数では全く対応できません。ここでも長柄衆が来客の対応やその知識により館内のガイドをしています。


宵宮での活動

1 町家の宵宮飾りガイド


宵宮では各町内のからくりが展示されています。からくりは本祭りでは曳山の上に乗っているので、間近で見る良いチャンスです。このとき由来や歴史の解説のガイドとして活躍しています。宵山しか来られないお客様もいらっしゃいますので、来年は本祭も来ていただけるよう努力しています。


2 宵宮案内ガイド


近年、東海道シンポジウムや近江のまつりフォーラム、また各種団体の全国大会などが大津市内で開催された際、市外のお客様が宵宮を見学されるのでツアーのガイドを長柄衆が担当しています。夕方や夜になるとどこへ行って良いか他県の方はわかりにくいものです。宵山でも時間帯や見学場所のポイントを突いた案内が好評です。


3 曳山展示館にて


宵山当日、曳山展示館には、多くのお客様が来られます。普段の数十倍ですので、普段の少人数では全く対応できません。ここでも長柄衆が来客の対応やその知識により館内のガイドをしています。またグッズや特製のお弁当等の販売販売にも力を発揮しています。


研修活動

1 大津まちなか大学


長柄衆は全員が大津まちなか大学の大津祭学部修了生です。大津まちなか大学は平成18年に始まった「大津市都市計画部まちづくり政策課都市再生室」が主催する組織です。大津まちなか大学「大津祭学部」は、大津が世界に誇る「大津祭」を学び、経験するものであり、明治の混乱期や昭和の戦争をも乗越え約400年もの間続く「大津祭」が、現在(いま)に伝わる素晴らしい伝統文化を形成していることを学ぶことにより、幾世代にも受け継がれてきた先人の知恵と気質を、これから未来へ継承していく人材を育成することを目的とするものです。ガイドや運営面で活動できるのはここで得られた知識と旺盛なその意欲があるからです。毎年20名弱が受講しその多くが長柄衆にも参加しています。もちろん大津まちなか大学の運営のお手伝いや、講義にも参加し大津まちなか大学の発展を応援しています。


2 特別な講習会


特定非営利活動法人大津祭曳山連盟の小委員会に歴史伝統委員会があります。これを進める理事が特別な講習会を長柄衆向けに実施しています。大津まちなか大学の大津祭学部修了生である知識を習得した長柄衆がさらに詳しい歴史や文化を学ぶ場を設け、大津祭への知識を深めています。これは非公開で一般の方は参加できません。町衆よりも大津祭を知っているのでは、といわれる所以がここにあります。


3 各種イベントの参加


東海道シンポジウムや近江のまつりフォーラム等、他の地域との協働や情報交換の場を持つようになりました。NPO曳山連盟と長柄衆はともに協働して大津祭を盛り上げる関係になっており、各種イベントに一緒に活動するようになっています。また特定非営利活動法人大津祭曳山連盟は中心市街地活性化の取り組みにも参加しており、これら多くの活動を行っています。

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