音声案内
西行桜狸山は、大津祭の元祖となった曳山である。慶長年間(1596-1615)に鍛冶野町の塩売治兵衛が、旧暦九月十日の四宮祭礼に、狸の面をかぶって采を振って風流踊を踊ったのに始まる。続いて治兵衛を乗せた屋台を担いで歩き、元和八(1622)年に治兵衛の替わりにからくりで腹鼓を打つ狸を乗せた屋台を担いで練り歩く。寛永十二(1635)年から二輪の曳き山となり、寛永十五(1638)年に三輪となる。明暦二(1656)年から、からくりを西行桜狸山に替え、曳山の屋根に狸をこしらえて立たせることにした。以後狸は屋根の上で日和見をし、祭日の天気を守護するといわれている。