大津市の中心市街地活性化事業の一環として、旧東海道沿いの町並みの調和を図る修景事業の本年度分がこのほど完了した。大津祭の曳山(ひきやま)町の2軒の外壁の色を塗り替えたり格子を取り付けるなどして、歴史的外観がよみがえった。
「大津百町の祭ちょうちんが似合うまちなみ形成補助金」を利用した事業。同市中央1丁目と京町1丁目間の旧東海道の「まちなみ協定」を結ぶ一帯が対象となっている。本年度は、かつて中京町と呼ばれた区域にある「中京町町家(ちょういえ)」と、道路を挟んで建つギフト販売店の2軒が対象となった。
町家は木造2階建てで、明治後期から大正時代に建てられたとみられ、大津祭の曳山、源氏山の囃子(はやし)方がけいこ場として使用している。外壁をしっくいで仕上げ、アルミ製のガラス戸を木製に変更した。また、外壁の鉄板を焼き杉板に張り替えるなどし、落ち着いた雰囲気にした。
ギフト販売店は、両隣の古い家屋との調和を考え、正面にひさし屋根と格子戸を新たに取り付け、広告看板を撤去。外壁を焦げ茶色に塗り替えた。
昨年度には近くの町家1軒の外壁を、トタンから焼き杉板に付け替え、アルミサッシを木製に変更した。
市は2012年度まで補助事業を続ける計画で「市民の負担もあるが、大津祭が似合い、町を残したいと思えるよう、まちの魅力を高めたい」としている。