からくり

からくり

大津祭の見どころの一つに、精巧に作られた「からくり」があります。
故事や能楽・謡曲などから取材したこれらのからくりは、全国でも2番目に古いと言われています。
このからくりを演じることを所望と言い、本祭の巡行中、20数カ所で曳山の巡行を止めて、この所望が行われます。
ちなみに、所望は「しょもう」ではなく「しょうもん」と発音します。
また、宵宮では、人形を曳山から下ろし、曳山のそばの町家で展示されていますので、間近にご覧になることができます。

西行桜狸山
鍛冶屋町
謡曲「西行桜」から取材。
花の中から仙人が現れて、西行法師と問答する。
猩々山
南保町
能楽「猩々」から取材。
高風の酌で猩々が、大杯で酒を飲むところ。
西王母山
丸屋町
崑崙山にすむ西王母の長寿伝説に桃太郎の説話を加味したもの。
桃の実が二つに割れて、その中から桃童子が生まれる。
平成15年桃童子新調。
神功皇后山
猟師町
神功皇后が戦勝を占って、まっすぐの針で鮎を釣ったされる故事にちなむ。
神功皇后が岩に弓で字を書く所作をすると、次々と文字が現れてくる。
月宮殿山
上京町
謡曲「鶴亀」にちなむ。
鶴と亀の冠をつけた男女の舞人が皇帝の前で舞うところ。
郭巨山
後在家町
下小唐崎町
中国二十四孝の一人郭巨の故事に因む。
郭巨が鍬で穴を掘り、黄金の釜を出すところ。
西宮蛭子山
白玉町
えびすさんが鯛を釣り上げる。
龍門滝山
太間町
どんな魚も上れないという黄河上流の龍門山の滝を上ることができる魚は、ただちに昇天して龍になるという故事に因む。
殺生石山
柳町
能楽「殺生石」に因む。
玄翁和尚の法力によって石が二つに割れ、玉藻前の顔が狐に変わる。
源氏山
中京町
紫式部が石山寺において源氏物語を書いたという故事にちなむ。
湯立山
玉屋町
湯立神事を表す。
称宜がお祓いをし、市殿が笹で湯を奉り、巫女が神楽を奏する。
孔明祈水山
中堀町
蜀の諸葛孔明が、魏の曹操との合戦に際し、水神に祈り大勝した故事に因む。
孔明が扇を開いて水を招くと、水が沸き上がり、流れ落ちる。
石橋山
湊町
謡曲「石橋」に取材。
天呂山の岩石の中から唐獅子が出てきて牡丹の花に戯れ遊び、また岩の中にかくれる。

gohei.jpg 所望が行われ場所には、写真のような御幣が掲げられています。