湖国三大祭の一つ「大津祭」(10月8日宵宮、9日本祭)について、大津市が来年度、重要無形民俗文化財指定を目指し、国に調査費を申請する方針を固めた。祭りを執り行う旧市街地の住民代表「曳山(ひきやま)責任者会」は、市から国への報告に必要な祭りに関する資料の準備に近く、着手する。関係者は「伝統ある祭りを後世に受け継いでいくため、何としても指定を得たい」と意気込んでいる。(矢野彰)
祭りの運営を支援するNPO法人「大津祭曳山連盟」が2009年から責任者会や市に対し、国への働きかけを呼びかけ、重要無形民俗文化財に指定されている他県の祭りを視察するなどして議論を続けてきた。
曳山の修理は現在、県や市の補助を受けて地元の判断で実施しているが、国の文化財指定を受けると、保存や修理などが今まで以上に厳密に行われるようになる。今後、少子高齢化が進む状況も踏まえ、「次世代に祭りを伝えるためには今、文化財指定を目指すべきだ」と、2月の責任者会の会合でまとまった。
市教委文化財保護課によると、指定には祭りの由来や行事、曳山やからくりの構造、装飾品などを詳細に調べ、国に報告する必要がある。このため、責任者会は曳山の精密な図面作りのため、10月2日に曳山を組み立てる「山建て」に合わせ、何百点にも及ぶ曳山の部材や金具の写真撮影を行う。
市は来年度、調査費が認められれば、学識者らで調査団を結成し、数年かけて報告書をまとめることにしている。大津祭曳山連盟の白井勝好理事長は「大津祭が文化財指定されれば、市民の誇りにもなるし、しっかりした形で後世に受け継ぐことにもつながる。何とか実現させたい」と話している。
市、国に調査費申請へ(読売新聞)
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