大津市が中心市街地の町家の外観改修のために設けた補助金制度で、活用第1号の工事が完了し、19日、入居する生花店がリニューアルオープンした。窓の格子や木製の建具で、ぐっと趣深くになった町家に、関係者は「大津祭の曳山町に似合う建物になった」と喜んでいる、
京町1丁目の旧東海道沿いに建つ明治後期から大正にかけての町家で、大津祭の曳山「月宮殿山」の保存会「月宮会」の所有。1階に生花店「アミティ」が入居し、2階は祭り囃子のけいこ場として使われている。
工事は1月に着手。アルミサッシなどの建具もすべて木製に改め、窓には町家を象徴する格子も設けた。トタン板がむき出しになっていた東側の壁は板塀に改修、雨どいはすべて銅板製のものに付け替えた。
改修は同店社長の西村栄祐さん(39)が提案した。同道沿道の住民が、景観保全について自主的に取り決めた「まちなみ協定」に参加する家屋を対象に市が設けた補助金制度を活用し、工事費の3分の2にあたる300万円の補助を受けた。
西村さんは「祭に似合う外観にしたいという思いはずっと持っていただけにうれしい」と話し、市都市再生課は「同様の取り組みが広がれば」と期待している。"京都新聞2009/3/19"より